パニック障害の残遺症状
パニック障害で急性期が過ぎた段階では、パニック発作があらわれるのが少しずつ減少してきます。
けれども、ここで良くなったと思ってはいけません。
何の対処もしないでいると、ひどいパニック発作は減ってくるのですが、小さな発作は起きるので不快なままです。
この問題を非発作性愁訴と言うこともありますし、他の呼び方では残遺症状と言い表します。
パニック障害の急性期が済んだといっても、非発作性愁訴は発作のときのような不快感が長時間続くので、患者はかなり厳しい状況に追い込まれます。
パニック障害の急性期は症状がひどいので、診察してもらうことが先送りになるケースがあります。
非発作性愁訴が起きている時期に診察を受けると、パニック障害と思われず自律神経失調症や心気症などのような診断が出ることも往々にしてあります。
どうしてそう判断されてしまうのかというと、この時期の症状の多くが「疲れが取れない」「肩こり」「頭痛」「手足が重く動きが緩慢になる」であるからです。
この他、頭がふらついたり、目にちくちくとした痛みが生じるなど、パニック障害の症状との関連性を見出しにくい症状があるため、周りに理解されにくい辛さがあります。
はっきりしたパニック発作は生じないため、十分に回復しているようなイメージを植え付けてしまい、単純にだるいと不平不満を話しているように捉えられてしまうのです。
一番最初にパニック発作を発症してから約半年〜1年経過すると、非発作性愁訴が起こってくる場合が多いようです。
患者のそばにいる人は、パニック障害には段階的な症状があるのだということを理解した上で、向き合っていくことが要求されます。